統合化リゾート(IR)産業の舞台裏

世界の潮流として”カジノ”という言葉は”ゲーミング”と読み替えるのがふさわしい.
夜明け前の日本のIRカジノ産業に役立つかも知れないさまざまな事柄について書いてゆきます.
IR事業とSOP(3)
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    S003_IR事業とSOP(3)

    さて,ケージの内側, キャッシュア窓口の内側は,現金とチップを格納する金庫室であると同時に,行程を担当する人間(複数)が所定の事務作業を行う場所でもある.現金とチップはモノとして在庫管理を行う一方,担当者の動作は管理され抑制されたものでなくてはならない.隅々までCCTVによる監視の眼が届く閉塞空間,金庫室なのである.

     

    CashierCageSkel

    CashierCageOperation

    ↑キャッシュアケージ(スケルトン) ↑稼働中のキャッシュアケージ

     

    そのためSOPにはキャッシュア窓口の内側で担当者,管理者の行動と責務を詳細に記述することが必要となる.職務の分掌は例えば担当者,監督者,管理者,責任者という職名(下位から上位へ)を定め,ある連携動作について職名ごとに執行者と管理者を決める.

     

    ここで読者は,いわゆるSOPなるものは一般の企業では社内規定(内規)と同じだと納得されるに違いない.その通りである.IR事業の一角にあるゲーミングフロア,その中で現金・チップ・カードを扱う場面でも,こと業務手順と管理規定にはごく普通のことが記述されている.

     

    問題はSOPという社内規定が確立しただけでは意味がないということである.規程はその目的を果たすため有効に適用して初めて意味を持つ.それではSOPを運用管理するため何が必要となるのだろうか? また規程を逸脱する事態が生じたときどう対処するのか? ここが勘所(運営ノウハウ)となる.

     

    SOPは原則,事業者ごとに設定するもので原則社外秘として扱う.しかし業界で長く実務に携われば,事業者は異なってもSOPは類似していくるはずである.その中で運営ノウハウ部分については経験を重ねることで属人的に蓄積される.その累積値はいわば企業カルチャーとして残るわけである.他方,ジョブホッピングなど,人の移動と共に社外へ伝播してゆくことも当然ありえることだ.ここを押さえるのは雇用契約を扱う人事部門とするのが普通である.

     

     

     

     

    次回は →「IR事業とSOP(4)」へ


    | kensけん | SOP - IR の実務 | 16:12 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
    IR事業とSOP(2)
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      S002_IR事業とSOP(2)

       

      SOPモデルという考え方

      ゲーミングフロア(=旧来の用語ではカジノフロア=賭博場;ここでは「フロア」と呼ぶことにする)の実務とSOPたとえばIR事業のうち「フロア」内の典型的な運営の一つを行動モデルと考え,そのSOPはどのように規程するかを考えてみたい.

       

      顧客の行動

      ゲームをプレイしたいと思う顧客はIRホテル(=「フロア」を併設したホテル)内で次のように行動すると考えてみよう:

       

      前提

      • 「フロア」および所属するIRホテルで共通の顧客カードが登録・運用されている.
      • 同カードには顧客のID番号・KYC(身分証情報)・プレイ履歴などが記録される.
      • 顧客はゲームチップ(NNチップ)を購入し,ゲームで獲得したキャッシュチップを現金化する「アジア型」ゲーミング方式でテーブルゲームをプレイする.

      顧客の一般的な「フロア」行動

      • ステップ1:キャッシュアケージ窓口でチップを購入する(注1);
      • ステップ2:好みのゲームテーブルでゲームを開始する(注2);
      • ステップ3:ゲームを終え,手持ちのキャッシュチップをキャッシュア窓口で現金化する(注3)
      注1:キャッシュア窓口: 「フロア」内でゲームチップを販売・買い戻しする窓口.鉄格子で囲むなどで保安を確保するところから「ケージ」(=Cage;檻で囲んだ場所)と呼ばれる.
      注2:チップ: 「フロア」内で限定的に通用するプラスチック製のコイン状の代用通貨;「フロア」の運営はチップの扱い方で次の2種類に大別できる.
      注3:アジア型ゲーミング方式: ゲームに賭けるゲームチップとゲームの勝ち金として顧客へ配当するキャッシュチップの2種類あり,チップの色使い(カラーリング)で区別する. 欧米型ゲーミング方式:ゲームチップとキャッシュチップの区別なく運用する.
      注4:ゲームテーブル: カードを使うゲーム(例:バカラ)を「フロア」が顧客へ提供するためのテーブル(例:バカラテーブル).ゲームの種類ごとに専用のテーブルがある.

       

      SOPにはどう規程するか

      上記の単純な行動モデルを基に,そこで発生する仕事とそのやり方を列記してみる:

       

      ステップ1:顧客がキャッシュア窓口でチップを購入する:

      キャッシュア窓口は顧客へチップを販売するところなので行程は次のように細分化できる:

      • 顧客が現金を提示する
      • 窓口担当者がチップを提示する
      • 顧客がチップを受け取る
      • 窓口担当者が現金を受け取り,収納する

      以上の行程1,2,3,4は次のような手順で構成されている:

      • 顧客が現金を提示してチップの購入を申し出る;
      • 担当者が窓口の所定位置で現金を金種別に数える;
      • 担当者がゲームチップを種別ごとに取り揃え,顧客へ渡す;
      • 受領済みの現金を仕分けて,所定の現金ボックスへ格納する;

       

      さて,以上の手順を社内の標準運営手順=SOPとして記述すると, 例えば次のようになる:

      SOPの記述例(部分):

       

       

      次回は「IR事業とSOP(3)」へ


      | kensけん | SOP - IR の実務 | 16:08 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
      IR事業とSOP(1)
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        S001_IR事業とSOP(1)

         

        SOP は Standard Operation Procedure の頭文字語

        事業を経営するときの基本要素は人・金・モノと言われる.平たく言えば”人”は組織,”金”は資金,”モノ”は設備や場所を指す.経験的にはこれに”情報”を加えたい.

         

        IR事業をカジノホテル複合事業と読み替えると,その実態は日本国内にはいまだ存在しない.しかしG7先進国では日本を除く各国にIR事業が存在する.各国ではIR事業を一定の法律に規程した要件を満たすことで普通の事業として認めている.

         

        だから日本も法制度を確立してIR産業を認知することが国の成長戦略のひとつとして議論されている.これが2016年12月,国会に上程され成立した「統合化リゾート(IR)推進法」, いわゆる”カジノ法案”である. これにより1年後の2017年末までにはIR産業の基本的な法制度と行政管理の細目が決まることになる.

         

        さてIR分野だけでなく事業経営を考えるとき基本要素は,人・金・モノ+情報だけではない.一般に各要素を経営の実態に落とし込むには事業の目標・目的を設定する.この目標を達成するため事業者は具体的な戦略を立て,目標達成までの道筋 (行程・日程) を決め,投入する資源 (資金・人員) の目標(値)を定める.

         

        次に実施計画に沿い日々の活動を開始するわけだが,もうひとつ重要なことがある.それは企業内の活動を規程する内規 (やるべき事=標準とその手順) を定めることだ.活動の計画から実施,評価まで (いわゆるプラン・ドゥー・シー) を設定し明示するわけである.

         

        IR事業の実態を見るとき他の事業と同様に,社内のすべての活動を規程する内規を定めていることが判る.この定めがなければ,各層の管理者は何に基づいて計画を立案,実行し,結果をどう評価するか判らなくなる.SOPとはつまりこの行動規範を内規として定めたものをいう.

         

        SOPの内容は事業組織ごとに異なってよい.しかしIR事業も収益事業であれば,収益実現までの基準となる事柄は自ずと業界ごとに類似してくるのは当然であろう.国内にIR事業機会が生まれるのはこれからである.IR事業の強力な収益エンジンのひとつがカジノフロアであれば,その運営実務に必要不可欠なSOPをどう構築するかは今後,国内でIR事業に取り組む方々にとり大きな経営課題のひとつとなると考えられる.

         

         

         

        次回は「IR事業とSOP(2)」です.


        | kensけん | SOP - IR の実務 | 12:41 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
        このブログ,再開します.
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          3年ぶりですが再開します. 昨年(2016)12月,いわゆる「カジノ法案」,正しくは統合化リゾート推進法が国会を通過しました.今後1年以内に同整備法が上程され,IR産業の法整備と行政管理の具体的な内容が世に問われることになります. 思えばこのブログの出現はあまりにも時期尚早ではありました.小生もIRの仕事に忙殺されてしまい関心事であったディジタルゲーム機についてこのブログで紹介やら議論をする余裕はなく,やむを得ず休止にしてしまったのでした. 国内のIR産業について考えるとき,自身の経験してきたさまざまな事柄を書き記すページとしてこのブログを再開することにしました. したがって話題はディジタルゲーム機のテクニカル事案に限定せず,今後展開が見込まれる日本のIR産業について触れてまいる所存です. どうぞよろしく.
          | kensけん | - | 00:30 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
          GLI, GSA/G2S, SAS6.02 文書を英和対訳データベース化中
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             GLIシリーズから始めて対訳データベース化を進行中です。(TRADOS SDL Studio 2012)
            訳文を統一すること、将来、改訂版が出現したときに現行版の訳文を流用できるようにすることが目的です。

            現在までGLIシリーズの大方はデータベース化済みです。GSA/G2Sは大物(英文で約1,800ページ)で、60%程度まで翻訳済み;これをSDL翻訳メモリ化して、残り40%を翻訳するつもりで作業中です。

            TRADOSはかつてRS232Cポートへドングルを挿入する時代に使って以来、十数年ぶりの帰りユーザ。とにかく各文書の主要な記述のうち英和対訳済み分を読み直しながら一文ずつ翻訳メモリ化するという効率のよくない作業を、またやってますw 
            | kensけん | 技術サブノート | 07:21 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
            「カジノ事業の人材教育」- CASINO Japan Vol.28 寄稿
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              「カジノ事業の人材教育」

              カジノを運営するための事業組織について考えたい。まずカジノをどのような事業として規定し理解すればいいだろうか?さまざまな解釈はあろうが本論を進めるため単純に「賭博場を中核としてホテル・レストラン・商店街・小劇場・会議開催施設等を複合的・統一的に運営するビジネス」と定義してみよう。実際にマカオやラスベガス等のいわゆるカジノ街を訪れたとき誰もが見聞できる、いわばこの事業の表舞台、事業の顔を記述するとそうなる。さて事業であるからには収益を目的とした経済活動であり、その裏舞台の仕掛け、インフラが不可欠なのもまた当然である。それはいったいどのようなものであろうか。

              本邦では賭博行為は刑法の規定により禁止されている。したがってカジノ事業を合法とするカジノ立国の諸国とは異なり、賭博にかかわる商行為(取引)とその社会的ルール(法制・慣例・収益計算・労務管理・価値感)が日々求められる現場(フィールド)は存在していない。他国のカジノをショールームとしてウインドウ・ショッピングするしかなかったわけだ。

              仮にIR法が施行され一定範囲の賭博事業に行政のライセンスが認可された場合、国の内外を問わずあらゆる産業資本が日本の市場を求めて押し寄せてくるのは間違いないだろう。国内産業がこれを受けて立つという場面を考えたとき最優先事項は何だろうか。ひとつは各方面の国内事業者が自社の本業(製品/サービス/ノウハウ)をカジノ事業へ拡大・適用し評価したいと考えたとき、その現場をどこに求め、投入する人材をどこで獲得するかを解決するのが急務であることは確かであろう。

              事業組織は事業目的を達成するために資金、人材、施設、情報を集め戦略的に構築するという点において他産業と同じである。カジノ事業にも現在の体系にたどりつくまでの興味深い産業史と伝統的な商習慣や商売の智惠があるのだがここでは割愛する。本稿はカジノ事業を特に経営トップから俯瞰したときにどう咀嚼・吟味して理解するかという現実的な課題に応えようとするものである。手っ取り早く理解いただくための手がかり(類例)は百貨店や銀行業などからも得られるはずだ。

              本稿はいわゆるカジノ事業については、そもそもカジノ事業は1)何を売るのか、2)どんな組織・人材がいるのか、3)運営の実務と実態、4)不可欠の事業要素は何か、という視点から論じてみる。どれも歴史的・文化的な背景や、近代経営科学との関わり、世界市場の規模やサービスレベルの相違など共通する一般論があるのは承知している。ここでは筆者が実務経験を通して得た知見の一部をテコにして論を進めたいと思う。

              「カジノとは何を売る事業か」

              世界のカジノ立国においては、賭博ゲームの事業は国や自治体の認可(ライセンス)制となっていることが多い。その理由は二つある;課税対象の事業収益をきちんと把握できるための仕組みを決めるためと、顧客に公正なゲーム運営をするための管理行政基準を確定することである。カジノ事業者はこの2点、つまり事業収益計算の透明性とゲーム顧客に対する公平性を常に問われる社会的存在、というのがカジノを市民権ある立国事業にするための基本認識となっている。これにより人間の根源的な射幸心、「金銭を賭けて勝つ」という楽しみを事業管理下におくのである。

              近年のカジノ事業は伝統的な賭博ゲーム(以下、ゲーミング)だけでなくホテルやレストラン、展示・会議を伴う国際イベント会場、巨大ショッピングモールなどを集めた複合ビジネスである。その中で一般に最も理解されていないのがゲーミングフロア(賭博場)での事業実態であろう。それはいかなるものなのか。

              基本は簡単で、各種ゲームの結果(勝敗)を予測して掛け金を支払い、勝負に勝てば賞金を得、負ければ掛け金を失う、これだけである。顧客のプレイヤはゲームの勝敗に金銭を賭け、結果が良ければ安堵し次の出目に期待する。結果がでないときはそこまでの勝敗履歴を頭に置いて次の勝ち敗けを読む。この一連の推理と決断のプロセスが人をゲーミングに熱中させる。カジノはこの人間的行為の楽しみを顧客へ提供し、対価を得る事業である。

              さてこのカジノ(賭博場)を事業として成立させるためどのような仕組みが要るのかを考えてみたい。周知のことだがカジノフロアで稼働するゲーミングテーブルはバカラ、ポーカー等のカードゲーム系、ダイスを使う系統など数多くある。またスロットマシンを代表例とするデジタル系ゲーム機もある。フロアの規模はさまざまだが、現代の大規模カジノでは数百台のテーブルを配置し、千を超えるゲーム機を林立させている。顧客は昼夜を問わずフロアでゲームに熱中する。これを事業とし経営するとしたら、どんな組織立てがあり、どのような組織管理が現に行われているか、また経営インフラとしてどのような管理システムを構築すればよいのか、人材をどう確保するのかという基本的な設問に具体的に応えなくてはならない。

              「カジノ事業の組織・人材」- どんな特徴があるのか

              いかにもカジノらしい、カジノ独自の組織と連携を挙げれば、ゲーミング部門/ケージ部門/サーベランス・セキュリティ部門であろう。カジノ自体を24時間体制で稼働させる場合はどの部門も3交代制で対応しなくてはならない。

              各部門が活動するための指針としてカジノ事業者は標準運営手順(SOP)を定め、運用する。その具体的な内容は経営ノウハウのひとつとして厳秘されているが概要の一端のみ紹介(後述)する。各部門はそれぞれのSOPをマネジメント行動の規範とするのが普通である。

              ゲーミング部門:

              カードゲーム部門とデジタルゲーミング機部門に大別される。共にカジノにとっては顧客サービスの質を問われる重要な収益部門である。カードゲームはテーブルゲームとも呼ばれ、フロアでは顧客とディーラーと称する専門職員がテーブルを挟んで接客しながらゲームを進行させる。掛け金はゲームの種類にもよるが、テーブルごとに1ゲームごとの最小掛け金/最大掛け金として明示されている。

              最も重要な業務は現に次々と進行するゲームの勝敗と配当計算・検算・確認を的確、正確に行うゲーミングフロアの要員管理である。テーブルゲームの場合はピットと呼ぶグループ分けした島管理となる。ピットを構成するテーブルごとに時々刻々と変動するチップ(トークン)の流れを追う管理であるほか、顧客と直接接するサービスの現場という定性的な面の管理も見逃せない。テーブルで顧客と相対するディーラーには接客業であることを意識させなくてはならない。男女、年令を問わず、華のあるディーラーには顧客が付く。顧客がリピータとなり長居してくれればテーブルの売上増にもつながるし、心付け(チップ)も増える(注:ディーラーへの心付け=現金やゲームチップを渡すこと=はカジノ事業者によっては規制されている行為であることに留意されたい)。

              スロットなどのデジタルゲームは少額の掛け金で楽しめるため人気のフロアや島(様々に配置したゲーム機のグループ)を構成する。伝統的な貨幣や紙幣を受け払いするゲーム機であったが、実際には磁気カード/ICカードを使ったキャッシュレス方式へと変わりつつある。この変化は顧客の囲い込み(レピータ化)ニーズやゲーム機を保守/運営する経費削減ニーズにテクノロジーが支援した結果といえる。したがって市場展開の速度や深度はカジノの立地条件、特に労働コストとターゲットとする顧客層の選択により左右される。

              ケージ部門:

              正確な呼称はキャッシュア・ケージ(鉄格子で囲まれた出納窓口)である。顧客へゲーミングトークン(チップやカード)を販売し、トークンを現金化して払い出す出納部門である。その外観は絶えず顧客と接しながら現金やトークンを取り扱う窓口であり、市中銀行の店頭ならばテラーがいて後方サポート要員が待機する場面に相当する。

              ケージはカジノが日々の事業キャッシュフローを把握する最前線でもあり、経営トップは常時、その報告を受け、実態を把握している。その後方には市中銀行とよく類似した計数・点検・保管のマン・マシンシステムが稼働する。最奥に鎮座するのは金庫室であり、入退室から現金・トークン等のモノ管理手順は厳格を極める。

              カジノのキャッシュレス化が進んでもそれはカジノフロア内と顧客のポケット内でのことに過ぎないのであって、金庫室の実態はロバートデニーロ主演の映画「カジノ」でその一端を想像していただきたい(ただし映画のため相当に誇張してあるが)。

              サーベイランス(SV)・セキュリティ(SC)部門: 

              SVは顧客が群れ集うゲーミングフロアとケージ窓口と後方業務の所要ポイントをCCTV等で遠隔監視し、ゲームの進行状況や現金/トークンの移動、それに伴う顧客の動態/従業員の管理行動を追跡・記録するのが主務である。その範囲はゲーミングフロア/キャッシュア・ケージ内部/構内の主要施設/建物外の主要ポイントと隅々までに及ぶ。CCTVで監視記録した事柄はいざと言うとき、法廷に提出可能な証拠(forensic evicence)となる。

              SV部門はカジノ組織内でも孤高の存在で、所属する職員は他部署の人員との個人的なつきあいも制限される。管理事項・異常値・事実確認については他部署との調整などをせず事実を経営陣へ直接報告する義務を負う。また他部署内で現に進行している異常事態(顧客とのもめ事やゲーム進行時の計算ミスなどの過誤)を第三者として所見を陳述し、規定違反については是正指示を行う責任部署である。

              SV要員はカジノのゲームテーブルで進行している事態の不審な行動や勝敗の判定、計算などを瞬時に判別できるプロ中のプロでなくてはならない。またSVの情報システムは企業ノウハウとして厳秘されているため、日常の機器の保全も普通の営繕・保守要員ではなくSV専門要員を必要とする。当然、SV監視センターはケージの金庫室と同様、カジノ構内でもセキュリティレベルの高い場所に配置する。このようにSV要員の資格要件は厳しいが給与体系などは他部署よりは厚遇するのが普通である。

              セキュリティ(SC)部門はSVの指示を受けていわば現場で警察力として行動する部隊である。具体的には所定のスーツ姿でカジノ構内のあらゆる状況に眼を光らせ、状況を監視するほか、接客部門と連携して対応・対応する。またカジノ構内で偶発するあらゆる事態(盗難や火災等を含む)にいち早く初期対応し、顧客とカジノの利益を保護する役割を担う。

              組織ワーク運営の規範:標準運営手順(SOP)

              先に挙げたゲーミング部門/ケージ部門/サーベランス・セキュリティ部門はもちろん、マーケティング・人事労務・ホテル/レストラン等の各部門は、その行動の指針・規範を明文化しておく。これをSOPと呼ぶ。SOPはカジノ社業の目的を組織単位に分割・分担し、日々の運営の基準を定めた手順書である。組織内の職制と責任範囲はSOPに明記する。したがってSOPの改変は取締役会の承認を必要とする。

              SOPはカジノ事業者のいわば経営ノウハウそのものであり社外秘扱いなので外部から伺い知ることはできない。その一端を直接知り得た経験からいえば、SOPの規定はつまるところその規定に対して日々の運営行動をどう評価し、是正するのかという課題と合わせて初めて意味を持つ。つまり「決め」があっても有効な基準として日々、組織運営がなされなくては無用の長物ということだ。これはあらゆる業態の事業管理に共通することであり、その面からカジノ事業もまた同じなのである。

              ゲーミング部門のSOP目次例:

              目的と基本方針
              . ゲーム、顧客、スタッフに関わる問題を主管管理者へ明示すること;
              . カジノ内で発生する重大事項の取り扱いについて意思決定・判断の管理レベルを明示すること;
              . 企業として従業員に期待する事柄と責任を明確に規定すること;
              . 可能な限り顧客が親しめるゲーム運営を図ること;

              運営手順の指針
              . ゲームを進行させるのに実質的に役立つ標準手順を規定すること;
              . ゲーミングテーブルの運営現場での挙動が混乱や紛争に至らせないこと;
              . 本運営手順を従業員に指導・周知・徹底させること;

              ゲーム別細則:ゲーム進行の基本的な手順/基本ルールとハウスルール/禁止行為/過誤の扱い等、その内容は細部まであるが本稿では割愛する。

              キャッシュア・ケージ部門のSOP目次例:

              1. 組織・職制の規定;
              2. 金庫室:現金/チップの取り扱い基本原則;授受する職群の基本的役割り;
              3. チップ室:金庫室の入退室手順;ゲーミングテーブルとのチップ受け払い手順と責任;現金の取り扱い手順;
              4. 現金出納管理室:現金出納の諸管理手順;
              5. カジノキャッシュア窓口業務:現金出納のテーブル窓口規定:
              6. スロットキャッシュア窓口業務:トークン出納の窓口規定:
              7. ジャンケット運営:ジャンケット(集客エージェント)の運営・管理手順;
              8. 財部管理/日次決算:財務部による日次管理手順;
              9. 偽造紙幣・貨幣の対応・管理手順;
              10. 顧客口座(現金/チップ)管理規定;
              11. 外貨管理規定;
              12. 送金管理規定;
              13. 緊急事態の対応管理規定;
              14. 社内管理証票・帳票・伝票(サンプル);

              SV部門のSOP目次例:部門活動のためには他部門の行動規範を熟知する必要があり、その上で内規を設定しなくてはならない。そのため規定すべき項目が多くなる。

              1. 規定・目的・管理システムの概要
              2. SV運営の一般要件
              3. SV管理センターの実務
              4. CCTV監視システムの実務
              5. 情報の伝達細則
              6. 記録行動
              7. 文書化と報告
              8. コミュニケーションシステム
              9. 連絡手段
              10. 日次記録細則
              11. 日次報告細則
              12. ディーラの過誤/手順の過誤/手順規定違反
              13. 報告義務
              14. 要員の相互監視プログラム
              15. 写真撮影の要件
              16. 機器・機材の点検と障害対応
              17. ビデオ映像の公開
              18. 損害の発生源となったカードシューの取り扱い
              19. マスタファイルの取り扱い規定
              20. SV記録要請規定
              21. ビデオ管理規定
              22. カジノ運営管理システム
              23. 来訪者の対応
              24. 緊急事態の発令規定
              25. キー管理規定
              26. キャッシュアウト、バイ-イン、決済規定
              27. カードシュー、カード取り扱い内規
              28. シャッフル前カード倉庫の監視規定
              29. テーブルチップの補充と入庫規定
              30. 停電、ゲーム保護、災害時の待避規定

              カジノ産業で求められる人材の育成

              これは本稿に求められている主題のひとつである。日本に近く展開が予想されるカジノ産業を考えるとき、何よりもまず人材が足りない。賭け事を悪弊としてきた所以の遅れを嘆いても解決策は生まれない。

              人材を育成する機関として学校が必要となるのは自明のことだ。同時に不可欠なのはカジノ事業の実務を体験できる現場(フィールド)だ。教室で理論と実務を学び、演習を行う;それを実践的に体験するOJT(実務研修)を実際に営業中のカジノで実現できればいい。しかし現実には不可能に近い。ここをどう突破するかだ。

              おわりに

              例えれば江戸末期に突如、黒船が出現したようなものかも知れない。往事、黒船を象徴する西欧の文物が日本人を驚かしたのは、大洋を航海する人や技術が現に目の前に現れたことだったろう。しかし先んずる江戸期にはそれを受け入れる素地は十分あったし、先人はそれを活用し受け入れることができた。

              ゲームテーブル運営に求められる組織と役割りについて述べてきたが、それだけでは統合化リゾート事業運営までの道のりを望見したに過ぎない。カジノ事業の世界では日本は最後発の国である。しかしこれだけ巨大な産業分野が真空状態であったのだし、これを事業機会ととらえるのか、単に世相の流れのひとつと見るだけなのかは、本稿の埒外にある。新事業の好機と考えるとき、やるべき事柄は山積しているし、世界の同業事業者や業界から学ぶべき事柄は絶望的に多い。本稿がカジノ事業の実務についてなにがしかを理解する手がかりとなれば幸いである。



              | kensけん | 主張・発言 | 15:14 | comments(2) | trackbacks(0) | - |
              [GLI-11 標準] を読み解く (No.1):(2013.11.11更新)
              0

                これを第一号とする「読み解く」シリーズでは、不定期にメインテーマのゲーム機の標準仕様について記述してみたいと考えています。


                他にもゲーム機の通信プロトコル SAS6.02 や2010年以降の業界標準メッセージ交換システム GSA/G2S 仕様など、大物がいくつもあるので、どこまでできるかはちょっとわからないのですが...


                まずはGLIから...


                [GLI-xx ] はカジノゲーム機の仕様基準を定めた文書の名前。xx には番号が入る。その全体を「GLI標準」と呼ぶことにしましょう。


                GLI標準を入手するには: GLI Webサイト で公開されているので、誰でも自由にタダでダウンロードできます。ただし英文です。


                なぜ業界標準か: 同じくGLIのWebサイトに詳しい説明があります。このブログでも解説したいテーマのひとつ(未定だけど)。


                GLIって社名? 標準の名前?:

                いい質問ですね。これもどこかで説明しますが、社名であり、標準の名前です。


                さてGLI標準は主なものでも次のように分冊されています:


                * GLI-11: ゲーミング装置(V1.3);

                * GLI-12: プログレシブゲーミング装置(V1.2);

                * GLI-13: オンラインモニタリング&コントロールシステム(MCS)(V2.0);

                * GLI-16: キャッシュレスシステム(V2.0);

                * GLI-17: ボーナシングシステム(V1.7);

                * GLI-18: プロモーションシステム(V2.0);

                * GLI-19: インターネットゲーミング環境(V1.3);

                * GLI-20: Kiosk (換金・返金ターミナル)(V1.4);

                * GLI-21: クライアント-サーバシステム(V2.1);

                * GLI-24: 電子テーブルゲームシステム(V1.2);

                * GLI-26: ワイヤレスゲーミングシステム(WGS)(V1.1);


                ** 次は翻訳・解読未了のため割愛です:

                GLI 14 - Finite Scratch Ticket and Pull-Tab Systems

                GLI 15 - Electronic Bingo and Keno Systems

                GLI 27 - Network Security Best Practices

                GLI 28 - Player User Interface Systems

                **末尾のカッコ内はバージョンです。デコボコなのは一部、改訂翻訳が未了のためです。


                一番肝心なのはどれかとなると、やはり GLI-11 が中核となる。これを理解しておかないと他を読み解いても意味がないといってよいでしょう。


                例えばGLI-11標準(Ver1.3)はゲーミング機について次の4章に分けて説明してあります:


                1章 概説

                2章 申請手続き

                3章 ハードウェア基準

                4章 ソフトウェア基準


                GLI-xx シリーズの各基準書はどれも、章番号こそ違うことはあってもこの4つの章が必ずあります。ただしV2.0以降は「申請手続き」が各編から分離・統合化されて別ファイルとなっています


                GLI-xx 標準シリーズは何に使われる?


                * ゲーム機を製造するとき:
                GLI標準はゲーム機システムの概要設計の指針を書いたもの(ガイドブック)。つまり「ゲーミング機はこう設計すべし」と書いてあるわけです。


                * ゲーム機を販売するとき:
                ゲーミング機は所定の検査機関へ検査を受け、合格して初めてカジノ市場で販売可能となります(検定を前提としている市場のみ)。検定の申請は製造者でも販社でもできます。申請の詳しい手順・手続きは、例えばGLI-11(V1.3)標準なら2章に書いてあります。


                * ゲーム機を購入・運用するとき:
                例えばマカオで営業中のカジノがゲーミング機を購入するときは、検定をパスしたことを証明する認定書の提示を受けなくてはならない。だから買う側もGLI標準の内容を理解しておく必要がある。


                * カジノを主管する行政部門:
                ゲーミング機が金銭を正しく扱っているか、勝ち負けはプレイヤに公平かを判断する基準として使われる。


                ... ここまでくると、けっこう難物だ、と思われたのでは? まあそれがフツーの感想でしょうね。


                英文ですが熟読してみればたいした内容じゃあないとも思えてくるんです。

                でもそれはモノの半分も見ていない所感。


                なぜなら各編・各章の各記述の細かい点は、実際には検定実務上、どう解釈するのかが微妙なことがあるから。要は法律的な規格文書ではないんです。


                GLI標準を理解したい人の最大の目的は、ゲーム機を造るか販売するためがほとんど。しかしそれに必要な検定実務のアンチョコは市販されてません。


                日本で一番の問題となるのな何か? マジで読んだ人が少ないことかな。


                日本にはカジノ産業がない、だからゲーミング機の市場はない。そのためGLI標準とは無縁でこられたんでしょうね。


                熟知しているのは海外のカジノ市場向けにモノ造りをしている少数のメーカーさんの担当エンジニアだけかもね。

                | kensけん | 技術サブノート | 18:09 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
                質問! そもそもカジノってどんなとこ?
                0

                  カジノって日本にないから、どんなところかイメージするのが難しい... それは当然。

                  007/カジノロワイヤル」って映画、ありましたね。

                  あと「カジノ」(ロバートデニーロ主演)なんかも...

                  まあ近代カジノは西欧の王侯貴族による遊びとなり、以来4世紀の歴史がある文化のひとつ。賭け事は往古、神事ともからんでいたようですね。現代ではG8各国のうちカジノ産業を許容していない国は日本だけです。

                  ギャンブルというと日本では公営ギャンブルとして競馬・競輪・競艇・宝くじなどがあるわけですが、同じ公営ギャンブルでも例えばマカオやラスベガス等で盛況のカジノとは全く違う事業形態です。

                  賭け金に対する戻し率の比較がまず大きく異なるのですが、何よりも異なるのはカジノは単なる博打場じゃあなく、統合化リゾート事業の中核エンジンだということかな。

                  まずマカオでも著明なカジノの現状を見てください:

                  グランドリスボア(日本語サイト)

                  サンズマカオ(日本語サイト) ベネチアン(日本語サイト)</

                  どのWebサイトでもゲーム場、つまりスロットマシンなどのゲーム機やバカラなどのゲームテーブルを設置した営業フロアの写真はほとんどありません。カジノフロア内では部外者は撮影禁止が原則です。カメラを持参していると入場時にクロークへ預けることを求められます。

                  カジノフロアで遊べるゲームは、ゲーム機とゲームテーブルの二つに分けられます。このブログでは両方の運営フロアで稼働しているITシステムに注目して話しをするつもりです。



                  | kensけん | カジノ一般 | 20:08 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
                  カジノゲーム機ってどんなものか?
                  0

                    さて、まずカジノゲーム機ってどんなものか、分かりやすい説明ができるか、とても不安。そこで少し現実をおさらいしてみますか...

                    ボクもゲームのコンテンツ造りは素人だし... なのでゲーム自体はブラックボックスとして扱います。

                    カジノゲーム機って普通のゲーセンで見かけるゲーム機や Wii などホームユースのディジタルゲームとどこが違うのか? 

                    By Novomatic   By Octabian
                    カジノスロット機の例

                    ごく単純に言えば 「ゲームの勝敗にお金を賭けて、勝負に勝ては賞金がもらえ、負けたら賭金を失う」、それがカジノゲーム機。

                    普通、日本のゲーセンなら、まず店頭でコインなどを購入し、ゲーム機へ投入してプレイし、勝てばコインが増えたり賞品をもらえるし、店を出るときはコイン等を賞品に替えるのが原則ですよね。

                    ただしパチンコ/パチスロは別で、賞品を選んで持ち帰ることもできるし、ホールの外で現金に換えることもできている。

                    いわゆる三店方式といわれる賞品の換金法で、賭博法による禁止事項を回避する手段とされているやり方。

                    だから本物の「カジノゲーム機」を、日本へ持ち込むと「賭博機」として扱われ、商用に供することは禁止されている。

                    >だったらカジノゲーム機の規格仕様なんで理解するだけむだじゃん、はいさよなら...

                     ンじゃあ、このブログ終わっちゃうw...

                    カジノゲーム機としてはスロットマシンが一番多い。世界中でスロットマシンってどれくらいあると思いますか?

                    正解は 約140万台 (2008年)。 ラスベガス、マカオ、欧州、南米、南ア、豪州等を総ざらいしてもこんな数。

                    他方、日本のパチンコ/パチスロ機は 約450万台 (2008年); つまり世界中のカジノスロット機の総数の3倍を越えるゲーム機が国内で稼働しているということ。

                    もちろんカジノゲーム機はスロットマシンだけなく、さまざまなモノが市場に出ています。そのほとんどはディジタルゲーム機。日本のパチスロ等、人間が操作・介入できるモノをスキルゲームと呼んでいる。

                    このブログではごく一般的なカジノ仕様のスロットマシンについてあれこれ書いてみたい。

                    ボクの個人的な関心事はゲーム機(および周辺機器)の「カジノ仕様」にあります。例えば:

                    * 「カジノ仕様」とはどんなモノか、誰がどうやって決めてるのか、

                    * 国際的に拡がるカジノ市場で「カジノ仕様」をどうやって業界標準に取り込んでるのか...

                    * 「カジノ標準」を業界に普及させ、製品やサービスに反映させる方法は何か...

                    *その価値は何なのんか、

                    そのあたりを知りたいんでね。


                    | kensけん | カジノ一般 | 18:02 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
                    そして2年後... 2008年10月
                    0

                      パチンコ業界の一角、とあるメーカでこんなことを考えていた:

                      >パチスロ・パチンコの台数、450万台あるという...

                      >その内の100万台をカジノ仕様にできたら何が起きるだろな...

                      ・・・

                      いくつか前振りがいりますね:

                      * パチスロ機はカジノ機として認定されません(世界の業界標準とはかけ離れた仕様だから)。つまりこのままではカジノ機にはできない...

                      * カジノゲーム機の当たり・外れは完全に確率の世界です(サイコロを振って偶数目になる確率は6分の3=1/2.. などで知られる確率のこと)。

                      * カジノゲーム機は戻し率が確定・公認されている(例: 戻し率88%とか95%等製品カタログに明示してある:サンプル)。

                      * 複数のカジノで稼働する数千台、数万台のゲーム機をネットワーク化し、売上のごく一部を取りまとめた大きなお金を賞金原資とした販促方法がある(プログレシブジャックポット)。

                      もし100万台のパチンコ・パチスロ機がカジノ仕様ならば...どうなる? ...

                      ボクなら100万台を数珠つなぎのネットワークにして、世界最大のプログレシブジャックポットセンターを作ってみたいな... (100万台から1日100円の売上献金を集めた総額を顧客への販促として還元する...!?)

                      で、考えてみました(ヒマもあったので)。ITの世界でいうところのシステムモデルをね。

                      2008年当時のカジノ業界の話題は2010年以降にGSA仕様が製品化されるということだった。

                      それを下敷きにしたモデルでした (思いつきのまま粗い仕様なのはご容赦)。

                      一見すると難しく見えるけれど、共通コンポ(部品)化すれば単純な構造になりそう。

                      略語・業界用語などはボチボチと説明しますね。

                      | kensけん | 技術サブノート | 17:59 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
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